【猫の闘病記】猫が糖尿病になってしまったら3〜動物病院の選び方・付き合い方について〜

【猫の病気について考える】猫の糖尿病闘病記など
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猫が病気になり不安な方へー動物病院を選ぶときに気をつけたいこと【体験談】

糖尿病になってもきちんとケアしていけば元気に過ごせる

猫が糖尿病になってしまって気持ちが真っ暗になってしまっている方へ、糖尿病になっても元気に暮らせることを伝えたいと思いこの記事を書いています。また「動物病院の選び方や付き合い方ってどうすればいいのかな?」と疑問をお持ちの方にも読んでいただけたらと思います。

2014年11月に我が家の猫、シアン(ロシアンブルーのオス、現在12歳)の糖尿病が発覚してから1年9ヶ月ほど経過しました。糖尿病が発覚したときに獣医さんが仰った「糖尿病はきちんとケアすれば天寿を全うできる病気ですよ!」という言葉を信じて猫と一緒に闘っています。今は至って元気で、普段は糖尿病であることを忘れて生活することができています。※記事を読みやすくするため2023年6月加筆修正しています

猫の糖尿病との戦いには動物病院選びが肝心!

猫が糖尿病になるまでは、年に一度の定期検診と予防接種くらいしか行くこともなかったのであまり気にしていませんでしたが、ここ2年程で頻繁に動物病院に行くようになりました。

病院との付き合いは人間も猫も同じで「信頼関係ができて顔馴染みになった方が良い」ので、できれば変えない方がよいと思います。しかし我が家の猫は飼い主の事情で何度も引越しを経験させる羽目になってしまいました。その度に動物病院を探すので、今までお世話になった病院は「対応がイマイチ」で行かなくなったところを含め10件ほど。それによって見えてきたことがいくつかありますので書いておこうと思います。

動物病院はどこも同じではありません。診療方針も値段も得意・不得意な病気なども違います。糖尿病の知識や経験に乏しい医師もいます。愛猫のために最適な病院を選んであげられるのは飼い主しかいません。

「いざ何かあったときのために」日頃からかかりつけのお医者さんがいた方が安心なのは、動物も人も同じですよね。私の経験が「動物病院を選ぶ際」の参考になればと思います。

糖尿病の猫のケアと通院で大変なこと

猫の血糖値の正常範囲は75〜148程度といわれていますが、猫の糖尿病が発覚した当時591もあったのです。初めはどの程度インスリンを打ったら安定した数値に持っていけるのか手探りですので、インスリン量が決まるまでは先生の指定した量のインスリンを打ち、数値を測定して下がっていなければ量を増やすということの繰り返しです。

朝晩同じ時刻に注射をしては定期的に通院し、観察しなければなりません。動物病院へ行った際には先生へ病状を報告するため、ある程度毎日の状態を記録しておかねばなりません。これらを入院で行うと結構な費用がかかります。よってほとんどの方は自身で行うことになるかと思いますが、仕事や家事などを抱えている身には送り迎えなども大変ハードなスケジュールとなります。

いくつかの動物病院を経験して私が感じたこと

獣医や動物病院とは相性が合う・合わないがある

真剣に診てもらえないなんてのは論外!ですが、同じ病気の診療でも人間ですので性格がでます。人間の病院も同じですが「相性」ってありますよね。こればかりは理屈ではないこともありますし、飼い主の感覚で「この先生とは合わない」と感じるようなことがあれば、まずは「セカンドオピニオン」をして他の獣医さんの意見も聞いてみるのがいいと思います。

特に糖尿病のように定期的な動物病院通いがマストになる病気は、獣医さんや動物病院との相性がその子の運命を左右することも大いにあり得ます。

動物病院によって診療方針が違う:A病院(1件目)

これも当然と言っては当然ですが、先生によって診療のスタンスが違ってきます。我が家の猫の場合、今まで4件の病院で4人の先生に診てもらいました。初めに診てもらったA病院のA先生(年齢30代後半くらい、男性)は、ストイックな方で週1の通院とかなり厳密な血糖値管理を求められました。「まずは血糖値が100くらいで落ち着くことを目指しましょう」ということで、治療が始まりました。

A病院の規模は個人病院で、診察台のある部屋は2つ、待合はイスが5つ程度、医師はA先生とたまに非常勤の方が1名の2名体制、動物看護師は2〜3名、外観は至って普通という感じでした。この病院の動物看護師の方は皆感じがよく、先生はおしゃべりではないが真面目で熱心でした。

ただストイックすぎて、たまに数値が良くない時などこちらが辛くなるような(責めているつもりはないのでしょうが)雰囲気もありました。

注射器は勝手に捨ててはいけない決まりになっているので、溜まると病院へ持って行って廃棄してもらいます。

動物病院によって得意・不得意がある:B病院(2件目)

半年ほどA病院にお世話になった後、引越しが決まりB病院へ。B先生は30代前半男性。病院規模はここも個人病院で、A病院より若干狭め。スタッフは先生の他に受付に女性が1〜2名。外から見た店構えは、壁やドアにピンク×お花の柄とファンシーな感じで保育園かな?というような感じ。比較的新しくできた病院という様子。

土曜の午前中に行ったのですが、狭い院内に患者さんが数組いて混乱状態でした。うちの猫の病状、薬の有無等、電話をして確認してから伺ったのですが、受付の女性の対応は「知りません」という感じで少々難あり。

1時間半くらい待たされて、やっと呼ばれたと思ったら「糖尿の猫を診た経験がない」とB先生。インスリンはないので業者に注文しておくから来週また取りに来てくださいとのこと。注射針は今まで使用していたものをこちらから持参したのですが、「これと同じものはないので代用で」と数本サンプルをくれましたが…針が太い!!!

これは猫の小さな体に刺すような針ではないし、猫に打つような小さなインスリンの単位には適合しません。インスリン注射用の注射器・薬剤は基本的に人間用のものを使っていて、動物用に開発されているものではありません。注射器には「単位」ごとにさまざまな種類があり、注射器1本=30単位、50単位、100単位とあり、30単位と100単位では1メモリあたりの単位数が違うので、注意が必要です。体の小さな動物に100単位の注射器は必要ありません。

ちなみにうちの猫が使っているのは30単位の注射器で、打っているのは1回につき2.5単位です。他に在庫が無くなり、なんとか使ってみましたが、普段ならうんともすんとも言わない猫が「ニャーーー(痛い!!!)」と言って逃げ出しました…以後、この病院に行くことはもうありませんでした。

毎日2回、注射頑張ってるにゃ。だから今は元気にゃよ。

動物病院によって営業時間や規模に違いがある:C病院(3件目)

そうして辿り着いたのが、現在お世話になっているC病院。ここは近隣に4つの医院を構えていて、うち1つは猫専門病院です。うちの最寄りは猫専門病院ではなく、犬猫以外のほとんどのペットも診療してくれるようです。そして年中無休。土日祝日はもちろん、お盆や年末年始さえもやっており、夜間対応もしてくれるようなので何かあった際も安心です。

規模(4つのうち私が通っている医院)は診察室2つ、院長の他に若い男性の先生1名、看護師2名、受付1名、こちらも外観は普通の病院といった感じです。

診てもらっているC先生(60代半ばくらい男性)はこの病院の院長で、赤ひげ先生のような風貌、声が大きく活発で気さくな印象です。サバサバしていますが動物への愛情が感じられ、手際がよく仕事も早い。こちらから余計なことを説明せずとも必要なことは質問してくるし、説明も的確。さすがベテランの貫禄があります。

待合はいつも誰かしら患者さんがいますが、そこまで待たされる印象はありません。C先生の診療方針としては「家庭で管理するなら血糖値は200以下であればよし、としましょう。下げすぎて低血糖になる方が危険ですから」というものでした。

A病院の時とは逆に、私はプレッシャーから解放されたような気がしました。闘病生活は長いのです。患者(猫ですが)も家族も、ずっと気が張っていたら神経が参ってしまいます。この先生はおそらくそういうことも見越しているのではないか、そこは場数と年の功かなと私は思っています。

動物病院によって診療費用(値段)が違う

これは病院の経営方針や立地にもよるのでしょうが、上記3つの医院の中でA病院が一番安かったように思います。B病院とC病院の単価はあまり変わらないかと思いますが、C病院は先生がやり手で拡大路線なので、検査や予防ケアで金額を盛ってこようというのが伺えます。

保険が利かないので勧められるがまま検査に応じたりしていると、うっかり数万円等はあっという間なので今その検査が本当に必要なのかよく聞いて判断せねばと思います。

また、新しくてキレイなのはいいのですが「開院して日が浅いような医院」も「設備投資の回収」に必死でしょうから、注意した方がいいと思います。

病院によって治療費や薬代は全然違う:D病院(4件目)

<2017年11月 追記>猫の予防接種5種混合を受けるに当たって、C病院では3種しか行っていなかったため、たまたま別の病院(D病院)へ行きました。我が家は完全室内飼いなので通常は3種混合を受けていますが、今回外から猫を受け入れることになり、念のため5種を希望しました。

その際念のためD病院でも「C病院でいつももらっている内容と同じ条件で薬:インスリンと注射針」の見積もりを出してもらったのですが…なんとC病院の倍額でした。

ただし先生は感じの良い方でこちらの説明には丁寧に答えてくれ、疑問はきちんと解消できました。薬価は仕入れ値との兼ね合いかと思いますので、必ずしも薬の価格と診療内容や獣医の腕は関係しません。ただ長丁場になる病気であれば薬価が安いに越したことはありません。

こんなケースもありますので、薬代や治療費と獣医や動物病院との相性のバランスについては、一度「最適解はどこか」を考慮してみた方がいいと考えます。

動物病院との上手な付き合い方と「良い動物病院」とは

少しでも疑問が生じたらきちんと回答を求める

疑問に思ったらなぜその検査が必要で、結果何がわかるのか等、きちんと説明を求めるようにしましょう。説明を聞いた結果、今回はこの検査は必要ない等思うところがあれば、その旨先生に言って構わないと私は思います。こちらも「際限なくお金をかけられるわけではないので、必要なタイミングで必要な治療をできる限りでしていく」というスタンスで私は動物病院と付き合っています。

聞いたら失礼かな等の気遣いは不要です。獣医も商売ですから、本当に猫のことを思って治療を進めている場合もあれば、営利を優先している場合もあります。そこをきちんと見抜かなければならないのです。愛猫を守れるのは飼い主さんだけなのですから、少しでも疑問に思うことは解消しましょう。そうでなければ「あのとき言いなりにならなければよかった」などと先々に後悔することもあります。「自分が納得して決めた」と思えばどんな結果になっても受け止められることと思います。

大切なのは「病院側から丁寧でわかりやすい説明」があること

こちらからの疑問に対して、先生がきちんとわかるように説明してくれることが病院への安心感につながります。患者(猫)と家族に対して真摯に向き合ってくれる獣医や動物病院には安心感を感じるし、説明責任を果たしてくれることの積み重ねが信頼を生みます。

むしろこちらのニーズを汲んでくれない、一方的、説明が的を射ない、ケアが丁寧ではないような病院に大切な家族をあずけるのは不安ですよね。これは動物でも人間でも同じです。

大切な家族である動物を守るのは、飼い主さんしかいません。あなたの飼っている子がもし病気になってしまっても「あわてず、冷静に」動物病院をしっかり見極めて上手に付き合っていっていただければと思います。

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