【猫の闘病記】猫が糖尿病になってしまったら1〜愛猫がいつまでも元気でいてくれるためにできること〜

【猫の病気について考える】猫の糖尿病闘病記など
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猫が糖尿病になってしまい不安な方へーこれは私との愛猫の糖尿病闘病記ですー

飼い猫が糖尿病になったことをきっかけにブログを立ち上げた

猫が糖尿病なってしまい不安な人の役に立てたら

私がブログを書くきっかけは我が家の愛猫シアンが12歳で糖尿病になったことです。「うちの猫の糖尿病について書くことが、いずれ他の誰かの役に立つのではないか?」と思ったからです。

糖尿病の発覚から1年半ほど経った今は猫の持病を日常として受けいれられるようになりましたが、ある日異変に気付き、糖尿病だとわかるまで平坦な道のりではありませんでした。車も持たない独身女性の私にとって、体力的・精神的・金銭的にもハードなことでとても不安になりました。

「猫が病気になってしまった」という人はネットで「糖尿病になった猫、他の様々な病気にかかった猫のこと」をできる限り調べると思います。私もその際はネット上のどなたかの過去の書き込みにずいぶんと助けられました。「猫の病気について」丁寧にまとめられているサイトも何件かあり本当に心強く感じました。もしもインターネットのない時代だったら、私は一人で不安に押しつぶされていたかもしれません。

猫が病気になり「猫と暮らす、ともに生きる」とは何かを突きつけられた

どこかで「まさかうちの子が」みたいな気持ちはあり油断していたのかもしれません。シアンは初めて迎えた猫でしたし、病気になって初めて彼の老いを感じたのです。

「いつまでも元気で歳をとらずずっと一緒にいられること」が当たり前になってしまっていたのでしょう。「生き物である限り老いていつか必ず別れがくる」ということを現実として突きつけられた気がしました。

そのとき猫と暮らすということはそういうことも全て含めた上でのことだとあらためて痛感しました。猫が病気になったことは「私にとって猫とは何か」と突きつけられるような出来事だったのです。「大切な猫を失うかもしれない」「あとどれくらい一緒にいられるだろうか」と思ったことが「猫と暮らす、ともに生きる」ということの“本質”を考えるきっかけとなりました。

それ以来、私はシアンと一緒にいられて幸せだけど、この子は幸せなんだろうかと深く考えるようになりました。

糖尿病発覚!我が家の猫の「異変」に気づいたきっかけ

糖尿病になるまでまったく手がかからない子だった愛猫

12歳になるうちの猫シアン(ロシアンブルー、オス)は、2014年11月に糖尿病が発覚するまで、定期検診以外で病院にかかったこともなく手のかからない猫でした。

彼は一言で言うと優等生。人間が好きで宅急便やさんが来ても玄関まで挨拶に行き、偏食もなく出したものは何でもよく食べ、それでお腹を壊すようなことも特になし。与えられたベッドを使い、名前を呼べば走ってやってきて「おやつ」と言えば「お手」を出す。おまけにトイレは大小とも人間の水洗トイレで済ませてくれるという…

人生で初めて飼った猫ですが、何も知らない新米飼い主の手を煩わせることは全くありませんでした。親バカながら、なんて賢く素直で物分かりのいい猫なのだろうと思っていました。

私にとって初めての猫がシアンなので猫は皆こうだろうと思っていたら、さらに他の猫を迎えてそれが思い違いであったと思い知らされました。当たり前ですが猫だって十猫十色ですね。でも「みんな違ってみんないい」のですよね。

飲水量が増えた?なんでこんなに水を飲んでいるのか?

そんな彼の異変に気付いたのは、急に飲水量が増えたことからでした。朝晩1日2回、ご飯を出すのと同時にお水を器に入れて出しているのですが、ある日帰宅すると水の入っていた器がほとんど空になっていました。今まで同じ器を使ってきたのですが、水が足りなくなるほど飲んでいるのを見たのは初めてでした。
これは何か変だなと思い、ネットで調べてみると…“猫はもともと砂漠の生き物だったので、本来あまり水を飲みません。もし急に飲水量が増えたときには、腎臓病の疑いがありますので、すぐに病院へ連れて行きましょう” “猫の腎臓病は一度発病すると治らず、いずれ死に至ります”
 と書かれています。それを見たとき頭の中が真っ白になりました。
…もし腎臓病だったら…
私はすぐに動物病院に行き、すがる想いで獣医さんに猫の様子を話しました。シアンは血液検査を受け、しばらく待ったのち結果はすぐに通知されました。
獣医さんは次のように話されました。
「血糖値の値がとても高くなっていますね、これは糖尿病です。」
 
「糖尿病は一度発病すると基本的には一生涯完治する事はありません。稀にインスリン注射が必要なくなる子もいますが、この先はずっとインスリンが必要だと思っておいてください」
 
 「ただ糖尿病は腎臓病などの他の病気と違い、すぐに病状が悪化して死に至るような病気ではありません。上手に付き合えば十分に寿命を全うできる病気でもあります。ですから、他の病気を併発させないことが一番です」
 
「いまのところ、腎臓病は特にありません。ただ腎臓病を併発することが怖いので、フードは腎臓病を予防するものに切り替えた方がいいでしょう」

猫の病気を防いであげられるのも、病気と一緒に闘ってやれるのも飼い主だけ

病気を告知された時のことはあまり覚えていません。腎臓病ではなかったことにひと安心したものの、頭がぐるぐるして目が回っていたような感じでした。しかし元々腎臓病を疑ってたのであらたに糖尿病という病名を聞いてまた動揺しました。
糖尿病ってメタボのお父さんとかがなるようなイメージを持っていたのですが(失礼…)、シアンは特に肥満な猫ではなかったので…「糖尿病?痛風とかになってしまう病気??」と(後で調べたところ、猫は痛風にはならないとのことです)。先生の説明を聞いてうなずくことに精一杯でした。

間違った飼育方法が大切な猫を苦しめてしまうことになるかもしれない

その時は「なぜうちの猫が糖尿病に?」と思いましたが、今思えば、子猫の頃から彼は甘いものが好きでした。私がプリンやアイス、あんこなどを食べていると「くれくれ」と言って手を出してくるので、ほんの少しならとついついあげてしまっていたのです。
もしかしたら人間にとってはほんの一口でも、猫にとっては長年かけて「糖分とりすぎ」になってしまっていたのかもしれないと猛烈に反省しきり。
それが原因かはわかりませんが何かあったときに「あれがよくなかったのかも」と後悔することはもう二度としたくない。いくら可愛くても、いや可愛いからこそやはり、猫には猫のためになる食べ物をあげるべきだなと思い知ったのでした。
猫について知識や経験を経た今なら絶対にダメだと思うようなことでも、知らずに間違いをおかしてしまうことがあるのです。だからこそできるだけ「猫についての知識を得たい、きちんと理解したうえで飼育したい」と思いました。

初めて猫にインスリン注射を打つことに…自分にできるのか不安 

素人が猫のインスリン注射に慣れるまで大変

「12時間おきにインスリン注射が必要になります。今から注射の仕方を少し練習しましょう。ここのあたりをつまんで三角の真ん中に打つんですよ」
先生はそう言って生理食塩水と注射器を取り出し、シアンの背中の皮を上手につまんでスイッと刺しました。シアンは微動だにせず、声もあげません。彼は今まで定期検診の時に注射されても声をあげることもなく、何かを悟ったようにおとなしく、いつもされるがままになっている子なのでした。 「はい、じゃあやってみましょうか。はじめは難しいと思うのでここ、剃っておきますね」と言って先生はサッとバリカンで背中の毛を剃ってくださいました。

バリカンで剃られた背中が痛々しい…

私はやっとの想いで、背中の毛を10センチ四方に剃られたシアンの皮膚をつまみ、恐る恐る針を刺そうとするのですが、怖くてなかなか刺すことができません。私の動揺と恐怖心が伝わるのか、シアンも怖がって逃げようとします。余計に焦って空回りする私に先生は、「大丈夫、ゆっくりでいいですよ。」と穏やかに声をかけます。

何とか成功して、疲れ果てた私は帰宅するなりグッタリしていました。しかし一方で散々な目にあったシアンは、思いの外ケロッとしているように見えました。やっと我が家に帰ってこられてホッとしたのでしょう。

糖尿病は上手に付き合えば寿命を全うできる

「この先ずっとこんな生活なのか…毎日この子に2回も針を刺すのか

闘病生活は長期戦です。糖尿病は上手に付き合えば寿命を全うできると言ってもらえました。 もちろんシアンの健康が最優先。できる限りのことを最大限にしてあげたいのはやまやまなのですが、動物は当然保険診療は効きません。場合によってはかなりのお金がかかるようです。
愕然と肩を落とし落ち込んで惚けている私に、いつもと同じように目を細めてスリスリしてくるシアンは「どうしたの?大丈夫だよ。僕、注射頑張るからママも頑張ろうよ」と言っているように思えました。
「先生は糖尿病でも長生きは出来ると言ったんだ、そうだよね、頑張ろう。やるしかないんだから。私がシアンを守るんだ」私は気を取り直して自分を奮い立たせるよう心の中でつぶやきました。
 

今は手早くできるようになりました!

インスリン投与の時間、回数の記録と動物病院への通院

毎日インスリン投与の記録をつける

それから私は、しばらくの間毎日インスリン投与の記録をつけていました。 インスリン投与は12時間おきが基本ですが、会社勤めをしている私はキッチリ12時間おきということが難しい日もあり、先生に相談したところ、1時間遅れるくらいならなんとか問題ないということでした。
一番怖い(死に至る可能性が高い)のは高血糖より低血糖状態になることだと言います。当然インスリンを打つ時間の間隔が12時間より短くなってはいけないということだったので、もし規定の時間に次の注射が打てない状況なら、1回空けて(お休みにして)打つ方がいいですと言われました。
 ※ ※ ※ご注意 ※ ※ ※
このブログで書いている動物病院の先生による「猫の糖尿病」への見解は、あくまでシアンの病状等様々な要因や環境を鑑みての発言ですので、すべての猫さんに当てはまるとは限りません。
もし猫さんに糖尿病の疑いがあったりすでに発病してしまった際は、素人判断でインスリン量を調整したり投与回数や時間を変更してしまうことは大変危険ですので、十分に担当の獣医さんへご相談ください。

毎日「何単位(量)打ったか」「何時に打ったか」「どんなご飯を与えたか」を記録していました。(人様にお見せするとは思わなかったので、荒れた字で書きなぐってありお恥ずかしいのですが)

猫の糖尿病の病院通いの頻度

その後、動物病院への通院頻度は初めの1ヶ月ほどは週2、半年ほどでは月4、1年半経過した今は月1程度に減りました。会社勤めの私にとっては、初めの1ヶ月が様々な面で大変でした。
病院は19時までなので、なんとか仕事を片付けて帰宅し5キロのシアンをキャリーに入れて自転車の前かごに乗せ(斜めになって窮屈そうでした。私より彼の方が大変だったはずです)、自宅から30分ほどの距離を(なぜか坂の上の動物病院を選んでしまった…)せっせと漕いで通ったのでした。
当時は必死でどうなることか五里霧中な感じでしたが、血糖値が安定して特に問題なく生活できるようになった今、変わらずシアンがいてくれることに幸せを感じるのでした。
もしもあなたの愛猫が糖尿病になってしまっても、慌てずに冷静に、あなたが今できる最善のことを猫さんにしてあげられますよう、このブログが多少でもお役に立てればいいなと願っています。
次回のブログでは「猫が糖尿病になった時〜血糖値が安定して通常の生活ができるようになるまで」に役に立ったこと、参考にさせていただいたサイトさん、また今後「猫を病気にしない、猫が健康でいられるために」と私が気をつけていることをここに書いておこうと思います。

これはシアンが糖尿病になったその日から、我が家の冷蔵庫に貼ってあるメモです。これもネットから見つけた情報でお守りみたいなもんです。

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